■阿岐留医療センター 経営強化計画の策定の予算大綱
- 村野 栄一
- 3月22日
- 読了時間: 2分
具体的な予算の関係や今までも書いてきましたが課題をまとめてみました。
阿伎留病院企業団は、令和7年度の病院事業会計予算を策定し、経営基盤の強化と医療DXの推進を重点施策としました。
地域の中核病院として、二次救急医療や高度医療を支える体制を維持しながら、医師や看護師の確保、地域医療機関や福祉施設との連携強化を進め、診療の継続性を確保し、退院支援の充実を図ります。また、業務効率化と医療の質向上を目指し、電子カルテや診療情報共有の推進、クラウドシステムの導入による病院業務の効率化を進めます。
令和7年度の病院事業収益は前年比5.1%増の9,406,928千円を見込み、病院事業費用は前年比7.4%増の9,791,796千円となる赤字予算編成となりました。医療機器整備費は前年比81.9%減の206,862千円と大幅に削減されました。一方で、給与費は247,431千円増額し、人材確保を推進するための費用が確保されています。
阿伎留医療センターは、救急専門医の不足が深刻であり、夜間・休日の受け入れ体制が十分とはいえません。また、救急搬送時の受け入れ調整がスムーズに行われず、特に脳卒中や心疾患患者の受け入れ体制の強化が求められています。さらに、診療所や開業医との連携が不十分で、患者の逆紹介や適切な治療継続の仕組みが十分に機能しておらず、医療DXの推進が進められているものの、広域医療連携における情報共有の仕組みが確立されておらず、診療データのリアルタイム共有が難しい状況です。
これらの課題を解決するため、救急専門医の確保を目的とした医師研修プログラムの強化や夜間・休日の医師配置の見直し、追加予算措置が必要です。また、救急搬送のリアルタイム情報共有システムの導入や広域連携病院との役割分担の明確化による適切な受け入れ体制の確立が求められます。開業医や診療所との連携を深めるための定期協議会の設置や、患者の逆紹介体制の強化も急務です。さらに、電子カルテの統一化と診療データのリアルタイム共有、クラウドベースの診療情報システムの導入により、地域全体での情報共有を進めることが重要です。
令和7年度の予算大綱では、医療人材の確保や地域連携強化が重視されていますが、救急医療の専門体制強化やICTを活用した医療連携の充実が今後の重要な課題となります。特に、救急専門医の確保、夜間・休日の対応強化、ICTを活用したリアルタイム診療情報共有の実現が求められています。持続可能な病院経営と地域医療の充実に向けて積極的に取り組んでいく状況を確認していきます。
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