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▪環境白書から地域経済を考える

執筆者の写真: 村野 栄一村野 栄一

平成30年11月10日

この程あきる野市の環境白書が出来上がった。平成28年から平成37年までを期間と定めた、「第2次あきる野市環境基本計画」の実施状況や課題の把握を行うための資料である。

環境の現状では、4つの分野に分け、自然環境、生活環境、エネルギー、人の活動で、それぞれ記されている。

自然環境では、地産地消及び地域ブランド化の推進が謳われている。このあたりだと、檜原村のじゃがいもは徐々に浸透してきた。あきる野市の野菜と言えば、ノラボウ菜や、トウモロコシがあるが、特にトウモロコシに至っては、五日市街道の一部の販売に過ぎない。

海抜153メートル、この気温や土質から、あきる野市にもっとも合う野菜はなんだろうと考えてみると、細かい研究データではないが、気温から考えると、アメリカのサウス・カロライナ-州のチャールストンや、イタリアが似ているようだ。

その国で多く消費されている食べ物のメニューを市内や近隣の地域食堂で創ってもらうと、売れる外国野菜が見えてくるかもしれない。それは、気候が似ているので、農家にとっても作りやすいし、なにより差別化が図れる利点もあるが、生物多様性の概念からは、外れていくのかもしれない。

話は、エネルギーの分野に移るが、あきる野市では、効果のスピードと、度合いは別として、温室効果ガスの排出量が減少したことが伺えた。具体的には平成17年には、33万3千tCO2から、増減を繰り返し、平成27年にはるが、30万8千tCO2と減少している。

ここで、ご存知の方も多いと思うが、そもそも温室効果ガスの意味を簡単に書くと、地面に取り込まれた、太陽の光と熱は大気中へ放出され、その中の赤外線と、それをとりこむ気体が、地球をあたためる。この現象をビニールハウスの温室と似ていることから、温室効果を起こす気体のことを、温室効果ガスという。6種類あるが、大きな原因は二酸化炭素である。

 世界の二酸化炭素の排出量をあわせると、およそ318億トン(2011年)になり、日本は、世界で5番目におおく二酸化炭素を出している。

状況の危惧は理解できるが、具体的な行動を示す指標と、短期的でも効果測定がないと、早い段階での普及は難しい。今後はもっと、具体的なマクロとミクロの視点で推進していく必要がある。

 
 
 

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