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■学校事故は情報の共有が大切

執筆者の写真: 村野 栄一村野 栄一

2005年度以降に学校で亡くなった子どもは1614人、障害を持った子どもは7115人、合わせると、8729人が被害にあっております。しかしその事故の内容を検証すると、繰り返しの事故が多く、情報の共有化や対策の甘さを痛感せざる得ない状況です。


被害は授業中や休憩中で42%、部活動で33%、運動会などの学校行事で5%、登下校で14%です。それぞれをクラスター分析という、異なるものが混ざりあっている集団の中から互いに似たものを集めて集落(クラスター)を作り、対象を分類する手法で考えてみます。


例えば、給食中の低学年で多い窒息死は、うずらの卵やミニトマト、白玉団子など、丸い小さいものを口に入れた時に発生しました。

次に、窓からの転落は、日本中で死亡30人、障害は44人。サッカーのゴールポストの転倒では、2人死亡で10人障害と被害がありました。


中・高生は、心臓系の突然死は506件あり、気温が高くなる5月が最も多く、走った後や、休憩中に倒れるという、脈が急激に変化するときに発生する事例も多くみられました。


運動会では、84名が死亡、351人が障害となり、ムカデ競争では年間300件以上事故が報告されています。


部活動では突然死は133件、頭部外傷40件、熱中症23件(うち死亡21件)が発生しております。


このような事故発生後は、学校で基本の調査をし、自治体等で詳細調査、国に報告するように指導はありますが、任意であり、学校の調査で終了している場合も多いのです。ヒヤリハットがのちの大きな事故を生むことにつながります。


改善策としてアメリカではスポーツ事故を防ぐ仕組みとして、熱中症2800件の追跡調査から、10分以内に冷却すれば100%救命できることがわかりました。

体温が40度で30分以上になると、臓器へのダメージが出始めるというデータから、早期に38度台にアイスバスなどを使って下げる仕組みなどを取り入れております。

また日本でも校舎内で急いでいる生徒同士が追突事故などが起こらないように、危険個所データをもとに検証して、ピクトグラムで注意喚起をして防止するように始めた学校などもあります。


今後同じような事故を防ぐためにも情報の発信と、注意する環境の構築は急務ではないかと考えます。

 
 
 

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