top of page

▪学力・学習状況ついて考える

執筆者の写真: 村野 栄一村野 栄一

平成31年4月18日に小学6年・中学3年生を対象に全国学力・学習状況の調査が行われた。また東京都では他に30年7月5日に児童・生徒の学力向上を図るための調査を小学5年・中学2年生を対象に同様の試験をおこなっている。今回はその目的や結果について検証してみたい。

全国学力・学習状況調査では、教科に関するものを①と、生活習慣や学習環境等に関する調査②に別れている。先ずは教科に関するものを、①Aの知識問題と①Bの活用問題でわけ、生活習慣や学習環境等に関するものは、②1授業内容への興味や理解度、読書時間など生徒に問うもの、②2指導方法の工夫、家庭地域との連携など学校への調査に別れて、それぞれに確認していく目的がある。

①A教科に関する結果はそれぞれ東京都平均以下であるが、対象の小学6年生は、中学生3年生に比べても低い。

例えば小学6年生の国語で、知識問題のAを比べた場合に、東京都平均を100とした場合89.2で、中学3年生では96.1である。また活用問題の①Bはそれよりも苦手なことがデータでも読み取れた。

②1学習習慣の結果では授業以外の学習の時間が少ない。例えば放課後に1時間以上の学習をしている小学校の児童の割合は48.3%で東京都68.2%、全国66.2%と比べても20ポイント程度は低い。では何をしているのかをみると、ゲームやインターネットをみている割合は62%あるが、全国や東京都の平均と比べても低い。また友だちと交流が84.7%で東京都75.7%、全国74.5%と比べても高い。中学校でも家で勉強や読書の習慣ができていないことがわかった。

また自己肯定感が小学生、中学学生共に、低いのが気になる。チャレンジ精神や成功体験を育てて、自分に良いところがあると思える子どもに育てる必要が大切と考える。

この様な結果は以前あきる野市では、学力の一部分しか現れてなく、その結果だけが独り歩きして、その他の教育活動へ影響があるということで、公表はしてこなかった。しかし私はその意見には賛成できかね、常々公表する必要性を訴えてきたこともあり、明らかになることに未来を感じた。噂に翻弄されることなく、保護者が正しい目で結果を確認でき、教育現場においても課題に対して取り組む姿勢を示しやすいと思っているので、今後も多くの視点から取組を注視欲しい。

 
 
 

最新記事

すべて表示

■大雨の河川対策 

今の時期は雨が降りませんが、今年もその時期には、雨の心配が発生します。 都の説明を踏まえ現在の東京の河川状況を説明します。 昭和40年頃の河川の整備を振り返ると、中小河川の河道の拡幅や、調節池や分水路を配置することで、50ミリ/時間を整備水準で行ってきました。その成果として...

■子ども虐待の一つに親からの言葉

子どもを追い迷める親からの虐待には、食事などを与えないネグレストや性的虐待、体的虐待に加え、心理的虐待が含まれます。前者の3つは特異な例と思われがちですが、後者の心理的虐待は、日常の中でつい言ってしまうこともあります。 例えば、兄弟姉妹間で比較をする言動や「お前なんか生まれ...

■教育現場での生成AI活用

ChatGPTなどの生成AIが普及する中、教育現場での適切な活用が求められています。保護者の間では思考力や記述力の低下が懸念されていますが、適切に使えば知的好奇心を刺激し、学習の幅を広げることができます。 私立学校では、国語の授業でAIの解答を生徒の考えと比較し、誤りを分析...

Comments


bottom of page