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執筆者の写真村野 栄一

▪土地区画整理は必要なのか(上)

令和1年9月23日

区画整理を理解すると、道路・公園・下水道などの公共施設が整備されていない地域で無計画な宅地化が進行すると、災害時に倒壊建物で道をふさいでしまうや、そもそも道が細いなどで消防車や救急車が入れない問題や、未整備道は見通しがきかず、交通事故の危険にさらされるや、雨が降るとすぐに浸水被害が発生するなどの問題となりうるが、区画整理は地域の人たちが話し合い、少しずつ土地を出し合って「見通しのよい広い道路」「公園や広場などの公共施設」などを整備し、住み良いまちづくりを行う。住宅が密集してしまってからでは問題の解決が非常に難しくなる。そのため、生活環境の悪化を防いだり改善するためには、家々が立ち並ぶ前に、できるだけ早く区画整理を行う必要がある。

そこで、今あきる野市では武蔵引田駅北口の区画整理を進めているが、そこには問題があるのだろうか。いくつかの視点から考えてみると、まず、「誰がこの事業の中心となる施行元になるべきか」、から考えると、3つのケースがある。

1つ目は、区画整理組合を設立させて、計画を進めていく方法だ。以前行なった原小宮や雨間地区の区画整理はその方法だ。

2つ目は、市施行で行う。身近な例では秋川駅の北口の区画整理や、今回の引田駅北口も市施行でおこなっている。

3つ目は開発業者が施行する。

これら3つが考えられるが、1つ目は一般的なので説明は省略するが、2つ目はなぜ市が施行するのかと疑問が残るところだが、理由は駅前という条件が関係しているのだ。駅前は不特定多数の多くの方が利用する場所なのに、その地域の方だけで、工事費を負担するのは不公平であるという理由だ。

3つ目の開発業者が施行するではダメなのかであるが、都内の駅前は大手デベロッパーが再開発を請負っているではないか、という考えもあるが、これは地価が高額で、駅前に高層マンションなどが建設されたら、入居者や店舗がこぞって入り、そこから利益が出る仕組みになれば、積極的に手を挙げる事業者もあると思うが、いくら駅前でも五日市線で駅チカの高層建物ができても、需要と供給のバランスが取れるか疑問が残る。そのような理由から考えると、民間施行は現実的ではない。

次に道路と下水道だけやれば、多くの税金を投入しないでも済むという考えもあると思うが、次回にそのつづきを検討する。

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