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▪プレミアム商品券助成事業を考える

執筆者の写真: 村野 栄一村野 栄一

令和1年6月19日

正規の料金に上乗せされた券であるプレミアム商品券は、2014年国の緊急経済対策で自治体への交付金から始まった制度で、平成24年、26年、27年、29年、令和1年の今回5回目、あきる野商工会での発行である。今回はこの制度の展開について考えてみたい。

これまでの事業の目的は地域住民の消費喚起及び生活支援と、購買意欲の向上と地域経済の活性化であり、令和元年の今回はそれに加え、消費税率引上げが低所得者や、子育て世帯へ与える影響の緩和や地域における消費の下支えなどである。

効果としてアンケート結果では、54.3%が普段行かない店を利用すると回答があり、お店側は75%で効果があったと回答した。ここで気になるのはこの事業後の消費の落ち込みは如何であったかや、消費は刺激されるがその額がどのくらい向上しているのかである。

今までのプレミア率は10%がH24,26,29年の3回で、国の補助が入ったH27年は20%で発行総額も通常が2億5000万程度であったのに対して、概ね倍で4億3800万だ。今回令和1年のプレミアム商品券で国は、先程記した低所得者や、子育て世帯へ与える影響の緩和として、対象者(非課税世帯や2歳までの子育て世帯)にC券という25%のプレミア率で券を発行する。ここでの発行総額3億5300万はすべて国からの補助金で賄われる。

間違いやすいのが、今回の一般A,Bのプレミアム率は15%で発行総額1億9500万程度である。それでも通常の率より5%率は高く設定はしているが、25%と比較してしまうことや、市からの補助金は同様の2000万円で変わらないので、冊数で調整した結果通常25,000冊のところ800少ない17,000冊である。またABC券合わせて約5億4800万であることが消費にどう影響するか気になる。

しかしこのような検証は利用者の理解を得られないと難しい。前回H27年内閣府の地方創生推進室の効果検証の概要版を確認しても、「商品券があったから新規に消費した」額であるが、将来消費の前倒し(「先食い」効果)や、商品券の適用がある別の商品を購入したケース(「横食い」効果)は、アンケート調査だけでは推計できなかった。有効回答の選定基準、アンケート項目設定や解釈のブレなど、調査の改善点も明らかとなったとあった。

そのときに事業は96%の自治体において実施。既に、地域単独財源で類似事業を行った経験のある商店街振興組合、商工会、地域金融機関等に業務委託するケースが多く見られた。あきる野市もこの形で単純にプレミア率を上げる方法をとった。

しかしこのときに、いろいろな取組をした行政の例もあった。ふるさと旅行券として、対象範囲は宿泊費用が中心で土産物等の買い物需要を含めるものや往復交通費をパッケージにした旅行パックを対象とするものなどや、ふるさと名品の元値からプレミアム分をあらかじめ割り引く制度(「ふるさと割」)を作り、ネットや店頭で販売するや、福祉的な目的で低所得者の生活支援を狙った灯油等助成、商品・サービス券の販売は、100%助成を認めるなどもあった。具体的な事業で近隣では東京都調布市で消費喚起・生活支援がんばろう調布スクラッチカード事業として、500 円以上の消費にスクラッチカードを1枚配布。スクラッチカードを削り助成率が決まる仕組みが子供に好評を博し、地元商店街の活性化を図った事業名でもあった。

今後毎回同じようにプレミアム率を増やす、戻すを定期的に繰り返していくことが、商店や市民にとって有益なのかを議論する機会が必要になるのではないかと考える。

最近毎年プレミアム商品券が発行される。

市独自事業としての実施はH24、26、29、今回(R1)

②国の経済対策としての実施はH27

③国の今回の事業(R1)は、低所得者(非課税者)、子育て世帯対象

 
 
 

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