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執筆者の写真村野 栄一

▪ごみ問題と地域経済

平成31年1月20日

ごみの定義をネットサイトのコトバンクで確認すると、一般には生活に伴って発生する不要物をいう。ごみの定義は社会通念の違いで大きく変化する。かつてごみは無価値なものと認識されていたが,今日ではまだ使えるものが廃棄されたり,廃棄されたものが資源として再利用されるようになっており,その価値にかかわらず所有する意志を放棄したものがごみであると考えられているとあった。

そのゴミ処理の方法は、減量化と資源化などが考えられる。

そこで、あきる野市では、減量化・資源化のための役割分担として、市民(12)・事業者(10)・行政(14)の役割を示している。(カッコ内はその項目数)

例えば市民の役割では、ものを大切に、使い捨ての商品は使用せず、不用品は再利用して、余分なものは買わないなど12項目のうちの4項目がこれである。

確かにその通りであるが、しかし経済の側面を考えると、突き詰めると、ものが売れない。ただでさえ高齢化がすすみ、消費は弱くなっていくのだからである。

国では2020年までに、廃棄物処理で排出量を年間12%、家庭系のゴミを一日一人あたり500g、再利用率は27%と削減目標と掲げている。

東京都も2020年までに同様な基準を設け、計画を掲げ、施策を6項目とした。

その5項目めで、健全で信頼される静脈ビジネスの発展があった。

聞き慣れないので、「コトバンク」で調べると、製品を供給する製造業を「動脈」にたとえるのに対して、産業廃棄物や使い終わった製品などをリサイクルしたり、負荷が少ない形で自然に戻したりする産業を「静脈」にたとえた呼び名と紹介されていた。

現在あきる野市では減量化の目標値は達成しておらず、平成28年度で家庭系のゴミは一日一人あたり648.2gが実績値である。原因としては、可燃ごみにおいて紙類が混在している比率が41.8%と高いことも減量化に繋がっていないと推測できる。

具体的な減量や、資源化を進めるためには、量り売りなどをしている商店を行政がPRして、多くの賛同者を育てるや、食事のメニュー検討でも、欲しいものより、地産のもので食材を考えるなども必要な気がする。経済の発展とごみの減量・資源化の相反することに対して、静脈ビジネスを育てることが、地域経済に良い流れが生まれると感じる。

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