top of page

■ 「水・食料危機」2030年未来の分岐点3

執筆者の写真: 村野 栄一村野 栄一

「暴走する温暖化」、「プラスチック汚染の脅威」と続き、今回は「水・食料危機」です。

後進国だけでなく、全米で食糧支援が必要な人数は4200万人もいるのです。世界全体では、飢餓が8億人です。


しかし、昨年世界で作られた穀物は26.7億トンあり、生存者の数からいうと満たせる量です。ところが足元の日本では年間612万トン処分されます。このうち35トンは豚の餌になりますが、世界の食糧支援が必要な量の1.5倍もの量です。

牛肉1Kgには、6~20Kgの穀物や15415Lの大量の水が必要ですが、アメリカのカンザス州などは地下水が枯渇している状況です。


また、南アフリカ産のワインも最近見かけるようになりましたが、1本あたり650Lの水が必要であり、スラム街に住んでいる人たちは1日バケツ2杯の制限があるなかで、人気のワインに水が充てられています。

世界では市場へ出る前に廃棄される食べ物が3分の1、捨てられる食糧が3分の1で、食品ロスが多くあり、今後の2050年、人口100億を超える予測から考えると、現在の5割の増産が必要になります。


世界ではフードショックなる、国外へ輸出停止の連鎖がいつ起こるかわかりません。レバノンでは自給率が40%でありますが、現在はインフレで以前の3倍の金額でないと食料品が買えません。

EAT財団では、生産や流通の仕組みを変える必要があることを訴え、食料の半分は野菜、牛と豚は98g/週、鶏肉は203g/週を推奨しています。日本でも大豆から作る、人工肉を使ったハンバーガーに挑戦しているバーガーキングがあります。

わたしも先日スーパーで大豆肉を買いました。子どもからは、ダイエットする必要ないじゃないと言われましたが、かくかくしかじかと説明をしました。


今後単一品種で大量生産をする、バランスを欠くような生産方式は見直す必要があり、現在も土を衰えさせ、水を保てない状況をつくっています。このような状況下ではノーベル賞をもらった「緑の改革」は負の遺産です。どこの国も、自給率をあげていく試みが必要です。私たちも動物の肉は程々に食する時代にもうなっているのでしょう。

 
 
 

最新記事

すべて表示

■大雨の河川対策 

今の時期は雨が降りませんが、今年もその時期には、雨の心配が発生します。 都の説明を踏まえ現在の東京の河川状況を説明します。 昭和40年頃の河川の整備を振り返ると、中小河川の河道の拡幅や、調節池や分水路を配置することで、50ミリ/時間を整備水準で行ってきました。その成果として...

■子ども虐待の一つに親からの言葉

子どもを追い迷める親からの虐待には、食事などを与えないネグレストや性的虐待、体的虐待に加え、心理的虐待が含まれます。前者の3つは特異な例と思われがちですが、後者の心理的虐待は、日常の中でつい言ってしまうこともあります。 例えば、兄弟姉妹間で比較をする言動や「お前なんか生まれ...

■教育現場での生成AI活用

ChatGPTなどの生成AIが普及する中、教育現場での適切な活用が求められています。保護者の間では思考力や記述力の低下が懸念されていますが、適切に使えば知的好奇心を刺激し、学習の幅を広げることができます。 私立学校では、国語の授業でAIの解答を生徒の考えと比較し、誤りを分析...

Comments


bottom of page